デザイン思考の基本的なこと
隠れたニーズを探り出し、画期的なアイデアを生み出す手法「デザイン思考」の基本的な考え方を、世界的なデザインファームIDEOのCEOが紹介している一冊。
■デザイン思考のプロセス
イノベーションはいわば連続体であり、整然と順序立てられた手順というよりも、重なり合う空間全体からなるシステムと考えるべきだ。イノベーションは3つの空間に分けて考えることができる。
①着想:ソリューションを探り出すきっかけになる問題や機会
②発案:アイデアを創造、構築、検証するプロセス
③実現:アイデアをプロジェクト・ルームから市場へと導く行程
チームがアイデアを改良したり、新たな方向性を模索したりする間に、プロジェクトが3つの空間を何度も行き来することもある。このプロセスは反復的で非直線的な性質を持つ。基本的に、デザイン思考は探求のプロセスだ。うまくいけば、途中で必ず予期せぬ発見がある。そして、その発見の意味を汲み取ることが重要だ。発見の多くは進行中のプロセスにすんなりと組み込むことができるが、時には根本的な前提を見直すきっかけになる場合もある。

■イノベーションを生み出す新たなアプローチ
イノベーションを技術に偏った視点で捉えるのは、従来と比べて持続可能な考え方とは言えなくなってきている。そこで、新たな選択肢が必要になる。個人と社会全体のニーズのバランスを取る新たな製品やアイデア。
我々には、イノベーションに対する新しいアプローチが必要だ。そのようなアプローチを提供するのが「デザイン思考」だ。デザイン思考では、デザイナーたちが長年をかけて培ってきたスキルを利用する。デザイナーたちは、ビジネスの実務的な制約の中で、人々のニーズと利用可能な技術的資源を結びつけようと模索してきた。
デザイン思考は、人間中心であるだけでなく、人間の本質そのものとも言える。直感的に考える力。パターンを見分ける能力。機能性だけでなく感情的な価値をも持つアイデアを生み出す能力。それを重視するのがデザイン思考である。
著者 ティム ブラウン
IDEO 社長兼CEO 1987年にビル・モグリッジ率いるデザインID Twoに入社。1991年、三社合併によりIDEOが誕生した後、同社のヨーロッパ部門を統括。 2000年、創業者のデイヴィッド・ケリーからCEO職を引き継ぐ。「デザイン思考」を広く世に浸透させることで、企業の組織改革や、病院・大学・NPOのサポートを通してなど、世界のさまざまな地域の社会問題の解決に取り組んでいる。
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