260年あまりにわたった江戸幕府は、幕府も庶民も武士もおおむねお金がなかった。だからこそ幕府は貨幣制度に始まり、農商業の促進、流通システムの整備、米価の調整、倹約の徹底など、どうしたら経済が回るのかを考えた。どうにもならずに貨幣の改鋳を繰り返し保ってきた経済はやがて限界を迎え、破綻に至る。
そんな幕府の右往左往に振り回される庶民たちは、歌舞伎や落語、出版メディアといった独自の文化と商業を通して社会経済を活写した。江戸のサブカルは公儀権力と庶民の攻防戦の記録とも言えるのだ。
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