■現代のリーダーには「回す力」が必要だ
リーダーや上司に求められる資質、結果を出すマネジャーの条件は近年大きく変化している。かつては「俺について来い」と周囲を引っ張る強烈なリーダーシップが重視されたが、それは往々にして強権的で高圧的であり、ハラスメントに結びつきやすいという負の側面があった。ハラスメントに敏感な現代のビジネス界では、このタイプのリーダーは求められていない。
代わりに求められているのが、さりげなく議論を促したり、場を盛り上げたりする「回し役」としてのリーダーシップである。『人・場・組織を回す力』(楠本和矢著、クロスメディア・パブリッシング刊)はこの「回し役」の技法を解説する注目の一冊だ。 リーダーに「回す力」があると、個々人が不安や恐怖感なく、快適かつ前向きに仕事に取り組め、チームが活性化する。「いかにチームを居心地よく安全な場所に整えるか」という現代のリーダーに共通する課題への答えが「回す力」なのだ。
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