優れたビジョンのつくり方
明確で優れたビジョンを掲げる企業が成長する。いかに優れたビジョンを創り出すかについて、その方法論を紹介している一冊。
■ビジョンには公共の視点が大切
組織は本来、目的があって生まれる。しかし、語るべき未来、目指すべき未来がない組織は何かを創造することから離れていく。そこに自身の存在意義を反映したビジョンがないからである。すると、組織のエネルギーは自己維持のためだけに費やされていく。多くのエネルギーが無駄になる。
企業は公器である。企業は世の中の問題解決によって収益を得ている存在である。もはや、20世紀的な利益独占を目指す企業が生き残れる時代ではない。高い倫理性と利益を還元する仕組みを持った企業、つまり「私たちは公器である」という公共的な意識を持った企業が、21世紀半ばから主流になる。
公共の夢をビジョンに取り込んだ企業は、取り込んだがゆえに、世の中から応援のパワーをもらってビジネスを大きくし、利益を獲得する権利を得る。つまり、世の中からビジネスを拡大してよいという権利を、そうしたビジョンを掲げることができたがゆえに、得られる。
優れたビジョンは、未来への洞察と自らの信念の上につくられている。
ビジョンが持つ性質は次の3つである。
①自らが心から達成したいと願う未来像である
②「公共の夢」として人々を巻き込む力がある
③未来への洞察と自らの信念の上につくられている
こうしたビジョンは、日々の企業活動における共有された目標となり、モチベーションの源泉となるとともに、一人ひとりの行動や判断の基準になる。
著者 江上 隆夫
ディープビジョン研究所 代表取締役 ブランド戦略コンサルタント 「本質からブランドを組み立てる」というアプローチで、全国の中小企業から大企業までのブランドづくりを行うブランド・コンサルタント。 大学卒業後いくつかの広告制作会社を経て18年近く大手広告代理店アサツーディ・ケイにてコピーライター及びクリエイティブ・ディレクターとして、さまざまな業種の企業広告キャンペーンやブランド構築にかかわる。 朝日広告賞、日経広告賞グランプリ、日経金融広告賞最高賞、東京コピーライターズクラブ新人賞ほか数多くの受賞で評価を高め、2005年に独立。 現在は、クリエイティブを行う「ココカラ」と、ブランド・コンサルティングやセミナーなどを行う「ディープビジョン研究所」の2社を経営している。 最近はブランディングやコンセプトづくりなどの企業研修、イノベーションスキルを開発する事業、個人向けにブランディングを教える塾“創風塾"を主宰するなど、活動の幅を広げている。
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帯 一橋大学大学院教授 楠木 建 |
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