2019年11月5日火曜日

企業内キャリアコンサルティング入門 個人の気づきを促し、組織を変える

企業内でもキャリアコンサルティングが求められている

伊藤忠商事にてキャリアカウンセリング室を立ち上げた経験を活かし、企業内キャリアカウンセリングの普及を行なっている著者が、キャリアカウンセリングの基本を解説している一冊。

■企業内キャリアコンサルティングとは
キャリアコンサルティングとは、働く人の職業の選択、職業生活の設計、職業能力の開発・向上に関する相談に応じ、助言や指導を行うことを言う。基本的には、働く人が時々に抱える迷いや悩みの相談に応じ、その人のキャリア形成に関する考え方を聞きながら、イキイキと仕事をしていくことをバックアップする役割、そして結果として組織に資する役割を果たす。

仕事を進める上で人が抱える悩みや課題は、ひと昔前に比べれば多様になり、時に複雑化している。そこで専門機能としてのキャリアコンサルティングが求められるようになってきた。現在は、働く人自身が職業生活の設計とそのための能力開発をすることが国の法律で求められている。企業のその支援のためのキャリアコンサルティングを提供できるように体制を整えることが求められている。キャリア形成における「気づき」を支援することが大切な役割となってきた。

超短要約

企業内キャリアコンサルティングとは、働く人がイキイキと仕事に集中できるように支援することである。具体的には、働く人が仕事に取り組む上での困難に関して相談に応じ、「気づき」を与えることが組織課題の解決にもつながる。

6つの機能のように、企業内キャリアコンサルティングには組織に資する視点がいくつもある。目の前の相談者に真摯に向き合うことを通して、元気な社員、元気な職場を作ることに貢献する。そのことが、キャリアコンサルティングの本質的な役割と言える。

大事なことは、組織全体への普及を焦らず、目の前の1対1の相談を丁寧に行うことである。そうして実績を1つ1つ積み重ねることによってしか、信頼の輪を広げることはできない。

著者 浅川 正健

1973年生まれ。浅川キャリア研究所所長 大学卒業後、伊藤忠商事に入社。エネルギー本部で海外駐在9年を含む17年間営業の第一線で活躍。1990年に人事部に異動。キャリアカウンセリングに関心を持ち、2000年に1期生としてCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の資格を取得。 伊藤忠において日本初の全社員対象のキャリアカウンセリング室立ち上げに尽力。2002年に正式に開設し初代室長に就任。 2015年に退社後は浅川キャリア研究所を設立し所長に就任。 厚生労働省研究会の委員活動、全国での講演やセミナー、企業へのアドバイス、大学での授業、取材、執筆など「企業内キャリアコンサルティング普及」をライフワークに精力的に活動している。 CDA、国家資格キャリアコンサルタント

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帯
評論家 楠木 新

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