人材ファーストの企業をつくるための解説書
人材こそが競争優位を生み出す。これまでの旧来型の人事を見直し、人材開発主導の経営を行うことが重要であると説く一冊。
企業の人事カルチャーを変革するための手引きとなる。
■人材ファーストに移行せよ
今日の経営幹部の大半は、人材こそが競争優位を生み出すことを理解しているが、企業が使っている人事制度は1世代前の遺産である。企業は「人材ファースト」を実践する新たなイメージを作り上げ、CEO自らが人材の総責任者とならなければならない。資金配分を行うのと同様に、人材を適切な場所に配置しなければならない。社員のことを知り、社員それぞれが可能な限り最大の価値を生み出せるように権限を与える組織を作らなければならない。
自社に最高の人材を引きつけたいのであれば、社員に発言を許すだけでなく、積極的に発言するよう促さなければならない。つまり人材配置が成功するか否かは、社員個人の興味、野心、イノベーションが常に会社の戦略と未来を描くような環境をつくれるかどうかによって決まってくる。
■才能ある個人を解き放つ
適材適所によって人の才能が開花すると組織は活気づく。これは特にクリティカル2%人材にとって重要である。クリティカル2%人材に対する配慮、その維持、成果のモニタリングは、CEOとして最も重要な任務である。
人材主導型企業では、人材育成を決して二の次にしない。同様に、人材育成をクリティカル2%人材だけに限ってはならない。スキルが陳腐化していくのは、生産現場からCEOのオフィスまですべての人の現実である。テクノロジーは猛烈なスピードで変化を続けており、社員の能力をアップグレードするプロセスを組織の日常業務の中に組み込まなければならない。
CEOが取り組むべきステップは次の通り。
①最新テクノロジーを人材開発のために導入する
②旧来の人事プロセスを徹底的に見直す
③全社員が常に能力の向上に取り組むべきだという精神を社内に浸透させようとする
著者 ラム チャラン
1939年生まれ。コンサルタント 世界的に著名なビジネス・アドバイザー、作家、教師、講演者として活躍、世界のトップ企業のCEO、取締役会、エグゼクティブたちに協力し、40年の実績を誇る。 ハーバード・ビジネス・スクールとノースウェスタン大学で教鞭をとり、25作に及ぶ著書は世界で400万部のベストセラーとなり、12以上の言語に翻訳されている。 リーダーたちにアドバイスとコーチを授けるほかに、米国、トルコ、インド、ブラジルの複数の企業で取締役を務めている。 ペンシルベニア大学ウォートン・スクール、ノースウェスタン大学、ニューヨーク州クロトンビルのGEの研修センターから最高教師賞を授与された。また2005年には人的資源ナショナル・アカデミーで優秀フェローに選出された。
著者 ドミニク・バートンマッキンゼー・アンド・カンパニー 前グローバル・マネージング・パートナー 1986年の入社以来、銀行、消費財メーカー、ハイテク産業、工業など、多様な業界のクライアントにアドバイスを授けてきた。グローバル・マネージング・ディレクターに就任する前は、マッキンゼーのアジア地域チェアマンを務め、ソウル、上海、シンガポールで12年間活躍した。 資本主義の未来、長期的な価値創生、社会におけるビジネス・リーダーシップなどに関するマッキンゼーの仕事をリードしている。資本主義、リーダーシップ、金融マーケット開発、アジア、歴史、グローバル・マーケットとアジア・マーケットが直面する問題点と機会などに関して80以上の論説を執筆。
著者 デニス・ケアリーコーン・フェリー 副会長 取締役、CEOとその直属の部下の採用を行っている。これまでにフォーチュン500のなかでももっとも成功した60社のCEOや取締役の採用とアセスメントを行ってきた。取締役会議長、CEO、Cクラスの経営幹部のためにThe Prium、CEOアカデミーなど複数のフォーラムを、また米国でもっともうまく経営されている企業のCFOやCHROのためのアカデミーを創設してきた。 CEOサクセッションと企業戦略から、M&A、コーポレート・ガバナンス、ヒューマンキャピタルについて5冊の著書を刊行し、50を超える学術論文を発表している。 ペンシルベニア大学ウォートン・スクールでコーポレート・ガバナンスを教えており、ハーバード大学ジョン・F・ケネディ公共政策大学院とプリンストン神学校でポスト・ドクトラル・フェローシップを得た。公共・民間療法のテクノロジー関連の企業や団体で取締役を務めている。
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帯 資生堂社長 魚谷 雅彦 |
帯2 一橋大学経営管理研究科特任教授 伊藤 邦雄 |
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