2020年2月25日火曜日

ドラえもんを本気でつくる (PHP新書)

ドラえもんのつくり方

心理学や認知科学を取り入れたAIを研究開発する研究者が、人とロボットの関わりあいからデザインすることで、ドラえもんのようなロボットをつくることができると説く一冊。

■心が通じるロボットをつくる
ドラえもんの「のび太を幸せにする、心を持った存在」という部分を最もつくりたい。目の前にいる一人ひとりに、とことん向き合うロボットを実現すること。そんなロボットをみんなの手に届けることができれば、ドラえもんをつくることは、多くの人の幸せにつながる。

現在は、機械学習技術の中でもディープラーニングが高い性能を発揮し、日々発展を続けており、AIの代名詞的な位置付けとなっている。しかし、心が通じ合うという部分は、現在のディープラーニングの技術の発展をただ待つだけでは実現困難だと考えられる。ディープラーニングによるデータ処理を繰り返す以外にブレイクスルーとなる技術があるのではないか。

心理学や認知科学では「人間と人間がどうやって心を読み合っているか」という理論が多く研究されている。外側にある環境や他者を含めた全体のシステムをどうデザインするのかを考えないと、ドラえもんはつくれない。

超短要約

単独でドラえもんロボットをつくっても、ドラえもんに豊かな感情を持たせることはできない。のび太と関わるドラえもんをつくることで、ドラえもんに豊かな感情が生まれる。だからこそ、ドラえもんに感情を持たせるには、人とロボットが関わりあうHAIの技術が重要になってくる。

著者 大澤 正彦

1993年生まれ。AI研究者 全脳アーキテクチャ若手の会 設立者/フェロー 2011年、慶應義塾大学理工学部入学。2014年「全脳アーキテクチャ若手の会」を設立。2015年、同大学を首席で卒業。同年、慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学入学。2017年、同大学大学院修士課程修了。 現在、同大学大学院博士課程に在籍中。日本認知科学会にて「認知科学若手の会」代表。人工知能学会学生編集委員。孫正義育英財団1期生。日本学術振興会特別研究員(DC1)。 International Conference on Human-Agent Interaction Organizing Commitee(Sponsorship Chair)2018-2020,HAIシンポジウム運営委員

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