2020年3月30日月曜日

エフォートレスな行動で、能力を最大化する 「無為」の技法 Not Doing

あえて「しない」という選択肢を考える

忙しく行動することだけでは、燃え尽きてしまう。あえて「しない」という選択肢をとることの大切さを説く一冊。一時停止、スローダウン、一歩下がる、振り返るなどの価値を紹介しています。

■「しない」という選択
現代社会の複雑さや不確実さと折り合っていくのは難しい。私たちは不安定な潮に揺られている。波に乗れずにもがき、押しのけ、抵抗し、何とかねじ伏せようと苦戦していると、へとへとになって心身の健康を壊してしまう。生活のあらゆる面にマイナスの影響が生じてくる。

波が私たちを翻弄し疲弊させる時、誰でも岸壁にしがみつきたくなる。しかし、私たちに必要なのは、岸にしがみつこうとする手を放し、取り巻く世界の自然なエネルギーに乗ってみることだ。学び、そして成長していくために、海の潮に、川の流れに、その動きに身を任せてみる。エネルギーを受け入れ、リードに従ってみる。これを「しない(Not Doing」と呼ぶ。

「しない」というのは、不安や無気力、決断力のなさから生じる行動の欠如ではない。「しない」というのは、物事をやりこなす方法を狭い視野で見ないための防御手段だ。押すことでもなければ引くことでもない。逆らわず、ゆだねて、共に歩いてみる。そうすること力みがとれ、自分が関わっている状況に対して意識が開く。

超短要約

「ある」を追求する力(ポジティブ・ケイパビリティ)は、活動や努力や達成を通じて知を表明する知識や技術や競争の力を指す。「ない」を受容する力(ネガティブ・ケイパビリティ)の方は、知らないことやしないことを尊重する「待つ」「耐える」「観察する」「耳を傾ける」といった能力を指す。

人が仕事をしていくにあたっては、ポジティブ・ケイパビリティとネガティブ・ケイパビリティの両方が必要だ。「ある」ことの追求だけに重きをおきすぎると、行動することに執着しやすい。「ない」ことの受容だけを考えていると、人任せで空疎に終わってしまうかもしれない。どちらが良いとか、どちらが優れているとかという訳ではない。単に行動をするかしないかということではない。「しない」の対極にあるのは、流れに逆らい自分の意思も殺した拙速な行動や強迫観念的な行動に走ることだ。

著者 ダイアナ・レナー

企業コンサルタント、教師、作家 Uncharted Leadership Institute 共同創設者 Not Knowingラボ設立者 個人や組織が不確定な時代を進み、複雑な課題に立ち向かっていくためのサポートをしている。 ハーバード大学、テキサス大学、オーストラリア各地の大学で教壇に立つ。

著者 スティーブン・デスーザ

企業コンサルタント、教育者、エグゼクティブコーチ ディーパーラーニング社取締役、IEビジネススクール非常勤講師、サイード・ビジネススクールとオックスフォード大学のアソシエイト・フェロー、 INSEADリーダーシップコンサルタントおよびコーチ。 世界的経営思想家を選ぶThinkers 50 Radarや、『HR』誌が全世界を対象に選ぶ「最も影響力のある人物」トップ30にも選ばれている。

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帯
作家 ダニエル・ピンク

章の構成 / 読書指針

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