2020年8月6日木曜日

板前税理士が教える 「最強」の飲食店経営

成功しない飲食店の特徴

①コンセプトが練られていない

コンセプトを明確にしないかぎり、絶対に飲食店経営は成功しない。魅力的なコンセプトを立案し、実現可能性や実現に必要なものを割り出し、準備していくこと。コンセプトを考えるだけではなく、それをしっかりと詰めていく計画策定も必要である。

②エリアとライバル店のリサーチが甘い

自分が理想とするエリアに、本当に「自分が売りたいもの」で満足してくれるターゲットがいるのか。商圏を十分に調べず、開業してから「ターゲットがいない」と慌てるお店が多い。

③コンセプトの実現可能性が低い

理想の物件が見つからない場合、そもそものコンセプトに無理があり、希望を満たす物件はほぼ存在しない、というレベルの高すぎる条件であった可能性を疑うべきである。家賃以外は理想に叶う物件を見つけて、高めの物件に手を出すと、お店を長く続けていくためのリスクが高まる。

④オープンして満足してしまう

飲食店をオープンするのは大変であるため、そこで達成感や喜びに満たされ、先の営業が甘くなり、失敗するケースがある。

⑤経営を甘く見ている

美味しい料理やドリンクが提供できる、喜ばれる接客ができるなどのスキルが優れている人ほど、つい「これだけ美味しい料理を作れれば、どんなところでもお客様は来てくれるだろう」などと考えてしまいがちであるが、それほど簡単な話ではない。

⑥儲かる施策を打てていない

「儲かる」とは売上をあげることではなく、利益をあげること。例えば、ランチ営業は売上が増えても、原価が高く利益が増えないことが多い。ランチ営業の利益率が低くても、確実に夜の集客につながるなどの効果があれば良いが、ただ売上をあげるだけの施策は苦しくなるだけである。

⑦不測の事態への備えがない

キャッシュフローを意識しているか。よくあるのが、1年近く順調に経営を続けて、初めて税金を支払った途端にキャッシュフローが悪化するケース。隠れた負債にも目を配り、資金にも人材にも余裕を持って経営することが理想である。

最強の飲食店経営 〜開業までの流れ〜

①理想のコンセプトをしっかり書き出す。コンセプトが明確なほど成功率は上がる。

②物件探しは、インターネットだけでなく、そのエリアの不動産屋さんに相談する。

③金融機関からの融資を受ける場合、事業計画の中身を磨く。

④最低でも自己資金300万円を準備する。

⑤店舗の設計と施工を、飲食店専門業者に依頼する。

⑥ここだけの看板メニューをつくる。

⑦コンセプトにあった備品・ディスプレイを購入する。

⑧最初は少人数で始めて、成功したら大きな新店をオープンする。

⑨飲食店営業許可などの必要な届出を申請する。

⑩メニュー表にこだわり、お客様にまた来たいと思ってもらう。

最強の飲食店経営 〜メニューづくり〜

①自分が一番提供したいものが何かを考え、看板メニューをつくる。

②お店の看板は飲食物だけではない。接客や居心地の良さなど、魅力的なお客様の体験を実現させる。

③看板メニューは、アイデアの掛け算でつくる。ex.とろける×ローストビーフ丼

④要素を盛り過ぎず、一言で伝わるメニューをつくる。

⑤お客様のニーズ、食材の仕入管理、手間などを意識して、全体のメニュー構成を考える。

⑥全体の原価率30%を基準に、個別メニューをつくる。少ない食材でメニューの多様性を出すと原価率は下がる。

⑦原価率が低く利益のとれるメニューをおすすめにして売る。

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